コラム

格差社会


営業企画部 東田です。

10年くらい前、私が20代で番組のプロデューサーやラジオのMCとしても動いている頃。
何度も共演していた子がいました。
私自身、共演者やゲストの子たちと一切連絡先の交換をせず、プライベートで一切関りを持たないスタンスで生きていました。
が、その子とだけ連絡先を交換していました。
プライベートに関わらないと言いながら、相談事は来るもので、今考えればとてつもなく悲劇的で絶望的な未来が待っていることは想像できたはずでした。
ただ、やはり壁を作っていましたから、こちらから何かをしようとは考えておらず、いつしかその子はtwitterの更新がなくなり、表立った活動がなくなっていました。
私が業界を離れて数年、今から5年くらい前、携帯が壊れてあらゆる連絡先が吹っ飛びました。
そこで気になって連絡をしようと思いましたが、連絡手段がなく諦めていました。

数か月前にiphoneが壊れて新しく買い換えたら、どういうわけか過去の連絡先の全てが復旧されました。
それに気が付いたのが一昨日。
いかに電話という機能を使っていないかがわかります…
一昨日、連絡をしてみました。
返事は返ってこないだろうなと思いながら。
そして昨日、返信が返ってきました。
連絡ができなくなった5年の月日、お互いに何があったかを連絡しあい、起こったであろう悲劇的な結末の顛末を聞きました。
深いことは書けませんが、彼女の親が行っている事業で、悪い外資に騙されて莫大な借金を背負う羽目になってたはずでした。
昨日も細かいところまでは聞きませんでした。
結末は、自分の自由を差し出す。そのことで事態の収束を図っていました。

あの時、私は何もできなかったでしょう。
力もないし誰かのために命を張る覚悟もない。
今まで私も辛酸を舐めて生きてきても後悔をしたことがありませんでした。
しかし、昨日ばかりはとても後悔しました。
あの子のおかげで、まだ日の目を見ず、あがいてもがいて戦っている子たちを応援する、場数が踏める場所を自分が作ってしまおうと考えるに至り、個人でスポンサーとなったり、番組を作ったりしていました。
恐らく、あの子に出会わず、共演し、必死に戦っている姿を見なければ、そんなことを行うことはなかったでしょう。

「生まれ変わったら好きな人と結婚をして幸せになりたい」

この言葉にかけるべき言葉が見つかりませんでした。
日本という国は中流階級以上が多くを占めて、激しく贅沢をしなければ生きていける国です。
しかし、そうでない人たちももちろんいて、これから格差社会は広がりを見せます。
持つもの、持たぬものが明確に分離される時代がきます。
せめて今の私は、目に映る範囲の人たちが、その時代が来ても難なく生きていけるようにする。
それがたぶん私に課せられた贖罪だろうし、私が今の時代に存在する理由なのだと思います。

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