コラム
8.192018
何で売るか
営業企画部 東田です。
せっかくオタク話を書きましたので、同人界隈の話も。
パッケージはお金がかかる
私が初めてゲームを作ったときは、パッケージ製品でジャケットももちろんありました。
これにはものすごくお金と手間がかかりました。
ジャケットも表紙裏表紙のデザインや印刷代、ROMの表面への印刷代、同人イベントへの参加費用、搬入費用、移動交通費、ほぼ1日拘束。
けっこうえげつなくコストがかかりました。
ROMの必要なくね?
ソロ活動を始めて、DL販売市場に参入をしました。
これが正解でした。
当時、ひぐらしの鳴くころに、Fateのような同人作品がメジャー作品以上に脚光を浴びて、メジャーに乗り込むというドリームが蔓延してました。
その結果として同人の作品を買うユーザが格段に増えていたことと、特定のジャンルにおいてはDL販売の市場のほうが売り上げられてました。
作り手側としては、パッケージも印刷代もイベント代等諸々必要なくて、データさえあれば売り場に出すことができるわけです。
なので、コストの問題でこっちの市場に同人作家たちがわんさかなだれ込んでくるだろうから、その前に今のうちにやっちゃえということで、DL販売市場に参入したわけです。
ただこれも時間の問題で作家が増えることで競争が激しくなるので一時的だなと思ってました。
ともあれROMをわざわざ作る必要性は全く感じてませんでした。
商業で動くよりもお金が手に入る
もちろん売れるということが前提ですが、商業であれば売り上げは会社に入ります。
定額の給与や外注で商業ベースのコストがかかるので、レイバーコストも相当なものです。
商業はやはりパッケージが主流ですし、全国流通になるので流通コストがドカンと上乗せされる。
なので同人作品の4,5倍の価格になるわけですね。
ただ、データの販売となれば「ブツ」を運ぶコストはかからない。
DL販売サイトによって1本あたりのマージン率が決まっているので、それがある種それに充当するのかもしれませんが、売り上げの管理もなにもかもリアルタイムでデータでわかります。
もちろん、ソロで動いていて必要なものは外注で発注していたので、売り上げはまるまる私の懐に入るわけです。
ある一定の作品(ビジュアルレベル)を保つことで、どれだけ売り上げられるという予測データを下に、品質レベルはこれぐらい、それにはこれだけのコストがかかる。
だから販売価格はこれにして、この売り上げ本数をあげようという風にして運営していました。
2,3ヶ月で1本ベースで作品を産み出した結果、サラリーマンでは手に入らないくらいのお金が動いて自分に入っていました。
コストの問題
AIが普及しているのはそれによってコストが削減されるからです。
同じ物であればコストがかからないものを選択していくであろうから、そっちに投資をするということが私にとっては当然の選択をしていったわけです。
これでなければできない、というのはブランド志向を満足させる手段にのみ使えばいいし、そういう無駄なものにお金を投じて買ってもらって税金を落としてもらうのは我々にとってはありがたいことなので勝手にやってもらって、我々はコストが極力かからず便利なものを世にリリースしていくのがどうやら私の晩年の目標っぽいです。